歯並びや噛み合わせが悪いと顎に悪影響を与え顎関節や筋肉の動きが異常になり、顎関節症(がくかんせつしょう)になる場合があります。ひどくなると関節そのものや軟骨が変形したり、関節を支えている筋肉に異常をきたしたり、顎がうまく動かせなくなったりします。
最近、次のような顎の関節の異常を訴える人が多くなりました。
①口を開けたり閉じたりする時に、カクカク、カクンカクン、ジャリジャリなどの音がする。
②口を開けると痛い。
③口がうまく開かない。
なぜ音がしたり、口が開かないのかと言いますと、顎関節にある関節円板というものが関係しているのです。関節円板は、顎の運動をスムーズに行うために必要なものですが、これが前の方へずれてしまって変な音がしたり、口が開かなくなってしまうのです。
ある人には軽い症状、またとても耐えられないような重い症状まで個人差もかなり強いのが特徴です。 右図は口を開ける時に、カクカクとかカクンカクンと音がする人の、顎関節の図です。
子供もころからスパゲティやハンバーグ、レトルト、シリアル食品などの柔らかい食品を中心とする食生活を続けていると、噛む習慣が身につかないため顎の筋肉や骨格が十分に発達しません。軟らかい食物の長期摂取や咬合異常により引き起こされる咀嚼筋の発達障害や萎縮による筋機能の低下は、顎関節の異常を誘発する要因になる可能性を十分にひめているのです。