甘いものの与え方は、それぞれの子どもによって、それぞれちがった指導がなされるべきものです。つまり、むし歯になりやすいかなりにくいかは、かなり個体差があるのです。そのうえ、甘いものを毎日食べながら、規則正しい生活をしているためにむし歯の少ない子どももいますし、反対に、同じように食べていても生活全体が不規則なためにむし歯のできやすい子どももいます。このように、むし歯と甘いものとの間には、その子どもの生活態度が大きなかかわりあいをもっています。
一般的にいえば、まず甘いものをできる範囲で控え目にします。甘いお菓子を袋ごと、箱ごと与えるようなことは感心しません。次に、あまり長時間にわたってだらだらと食べさせないことです。甘いものは食欲を減退させるために、食事との関係も考え、適当な時刻に、また適当な時間内で終わるように与えます。食べ終わったら、口の中に残っている甘いものを洗い流すために、口の中をきれいにします。できれば、歯みがきをするのがよいのですが、なかなかそうもゆきませんので、少なくとも水でよくうがいをするくらいのことはしたいものです。これができないような小さな子どもの場合には、お母さんが歯のまわりをガーゼでふいてあげたり、あるいは水やお茶などを飲ませ、口の中をなるべくきれいにしてあげます。
このような注意をしながら、甘いものを与えるようにすることが大事なのですが、ときどき、お母さんが子どもの口の中を見て、歯のまわりが汚れていないかどうかしらべてください。歯のまわりに白色または黄白色の汚れがついているようなら、むし歯になる要注意の信号です。もう一度、おやつのて与え方、歯のみがき方など、よく考えてみましょう。